白い悪魔

地域やその年の気候によって多少のちがいはありますが
この時期、北海道では除雪作業が最も盛んになります。

通りを様々なタイプの除雪車が行き交い、
荷台に「マンガのご飯」のように雪を盛ったダンプが
行列を作って雪を運び出して行きます。

道をふさいで徐行していて邪魔だ、とか
除雪してほしい所をちっとも掻いてくれない、とか
何かと文句の対象となりがちなそれらですが、
もしその作業がストップしようものなら
百万人都市の札幌も雪に閉ざされた死の町となることでしょう。

道を車が通れるようになっている事は、凄いことなのです。

我が家にも自家用車がありまして、雪の降った朝には
早めに外へ出て、駐車場をできるだけ丁寧に除雪します。
ひどく降っている日は一日に3回くらい雪掻きをする事もあります。

共同の出入り口や、お隣さんとの間など、余裕がある限り
なるべくきちんと雪掻きをするようにします。

そうしていると、ほとんど毎日外にでて身体を動かすことになり、
減量にはかなり良い効果を与えてくれるのです。

雪掻きは、にぶい力仕事で有酸素運動。
時間的にも30分以上になることは珍しくないので
ダイエット目的の運動としてはかなり優秀ではないかと思います。


また、頻繁に除雪をしていると周囲の人たちの
暮らし振りも見えてきます。

真っ先にわかってくることは、
「持ち家の年寄りほどきれいに除雪をし、
マンション暮らしの若い人ほど何もしない」
ということです。

年配の方が住んでいる家の前は、どんな豪雪のあとでも
キレイに片付いています。
朝、除雪をしに外へ出て顔を見なかったことがありません。

それにくらべ、私の住む集合住宅の周りときたら…
共用部分は1日でもほうっておけば雪で埋まって通行困難。
それじゃあ自分の駐車スペースくらいは片付けているのか
と、思うとこちらも放置。

仕舞いにはその雪を放置した駐車スペースへ
乗り上げようとして車をスタックさせる始末。
大量の雪があるのは見れば分かるのに、なんでそのまま
駐車しようとするのか良くわかりません。
車があまり好きじゃないのかな、とも思えてしまいます。

毎日たった5分か10分だけでも、
除雪しないのとするのとでは段違いなのに…。


先日、いつものように雪掻きをしていると
そのキレイに除雪するおじいさんに声をかけられまして
あーもしかしたらこれは怒られるかな…と思っていると
逆に労いの言葉をかけて頂きました。

「おたくいつも頑張ってるねぇ、業者がもっとちゃんと
除雪してくれればいいのにね。これじゃせっかく
マンションに入った意味ないよねえ(笑」

なんて言われてしまいました。

なるほど、一戸建てに住んでいる人は家の前の道路を
除雪車が通るのがせいぜいで、駐車スペースや歩道は
全て自分の手でやらなければならないのですね。

マンションみたいに雪をよけておくスペースもそんなに無いし、
かなりの苦労と工夫をされているようです。


いやいやおじいさん、あなたの境地には全く及びません。
あのキレイに除雪された歩道は、美しい心を映す鏡でした。
思わず周りに不満が出そうになる私は、精進が足りないようです。